若手社員、青柳さんと津金さんの声~社員インタビュー vol.1(前編) ~

ゲーム業界、特にエフェクトデザイナーを志望する学生さんへ向けてのメッセージとして、ブラッシュアップ社員の生の声をご紹介します。記念すべき第一回は、学生さんにとって一番身近な存在の若手社員 青柳さんと津金さんが主役!また、先輩社員の中村さんをお迎えして、採用活動を振り返りながらお話を伺っていきます。インタビュアーは採用担当 蜂須賀でお送りいたします。
では、津金さん、青柳さん、中村さん、よろしくお願いします。

青柳&津金: よろしくお願いします。

ズバリ!未経験でも仕事に就ける!

──まず、エフェクトデザイナーになりたいと思っている学生は、入社する前に技術をどのくらい身に着ければいいのか不安だと思いますが、どうですか?エフェクト未経験、Maya・Unityを使ったことがなくても仕事はできますか?

青柳: 私は学生の時、もともとMayaでモデリングはしていたんですけど、そのモデリングしたものがUnityでどう見えるのかというただ確認のためにちょっと使っていたくらいで、エフェクトを一切作ってきていないので、Unityも……全然エフェクトの「え」の字も判らない状態でした。
それでも就けているので……たしかポートフォリオの中にもエフェクトデータは無いと思います。
本当にもう、卒業制作も終わって3月に入ったくらいから時間ができて、そこから始めました。使ったことがなくてもできています(笑)

──津金さんはどうですか、実体験踏まえて。

津金: Mayaはやっぱり学校で使っていたんですけど、Unityがほとんど触っていなくて。授業自体もエフェクトは無かったんで自分で少しやったりはしたんですけど、知らないことが結構多くて。でも新人研修期間で凄く詳しく教えてくれるので知識が無くてもできると思います。

青柳: 新人研修でアドバイスも具体的に、これをこうしてと解りやすく教えていただけるので、結構やりやすいと思います。やっぱり独学だと手を出しにくい分野なんですけど。

──次にですね、書類選考の際に静止画・デッサンの提出もあったと思いますが、画力・デッサン力はどれくらい重要だと思いますか?ご自身のデッサン力がどう活きているかなどについて教えてください。

中村:もしくはエフェクトデザイナーになること以外にどれくらい必要か(笑)

青柳: そうですね。、まったく絵を描いたことないです、はちょっと危ういと思うんですけど。デッサンをしながら空間のイメージをイメージトレーニングできるみたいな、その練習だと思うのでやっておいて損はないと。直接デッサンの技術がエフェクトに必要かというとそうではないと思います。デッサンをしていく過程で、例えばここの奥行きがあってみたいな、そういう空間を捉える力を養うことはやっといて損はないと思います。エフェクトだけじゃないと思うんですけど。特に3Dのエフェクトはこっちにあれを飛ばして、あっちにこれを飛ばしてというのを考えながらやるので、そういうのがあるとよりやりやすいかなと思う。

──津金さんはどうですか?

津金: 同じ意見です。エフェクトを作ること自体に必要かって言われたら、別にできなくても大丈夫といえば大丈夫だとは思うのですが、イメージ画とかを描いたりするならあった方がいいかなとは思います。

──表現するツールというか、自分の頭の中のものをある程度現すものというか、そういう一つのツールとしてあったほうが良いということですね。

中村:あとはエフェクト単体ではそうですけど、例えばマップに配置したりだとか、イベントのシーンに配置したりとか、他のと一緒に出すのなら必要なんじゃないのかなと。

青柳: 空間として絵を捉えるみたいなのは……

中村:……そのあたりは絵力が要るんじゃないかと思いますね。

デッサン力が絵作りに繋がる。その人の世界観を知りたい。

──では次に、中村さんへの質問です。会社の選考基準としてどこを重視しているか?作品に何を用意するべきかという質問なのですが……(笑)学生さんは一番知りたい質問なのではないでしょうか。  

中村:これはですね、まずデッサンをブラッシュアップ社は作品として必須とさせてもらっていて。さっき言ったようにすべての絵作りに繋がっている重要なものなので重視させていただいてます。あとは実際にあってお話する前にという段階であれば、履歴書とかPR文とかはかなり見させていただいて、結構深く考察させていただいてるんですよね、実は。あとは全体的に作品を見て、どういうところにこだわりを持つ人なのかだとか、どういったことに興味を持っている人なんだろうとか、どういった作品に打ち込む傾向があるのかなとか、そういうところを見させていただいてます。これは確かに学生が聞きたがると思うんですけど……

──私も聞きたいですが、これはオフレコですよね。

中村:大丈夫……じゃないですかね?はい。ホームページにもある程度載ってますしね。割と隠さないスタンスで行ってますので。

青柳:PR文をそこまで見てるのかっていうのは……思いました(笑)

中村:あれは大事ですよ本当。書類選考までしか進めない人もいるじゃないですか?そういう人には最後のアピールですから。そこはめっちゃアピール頑張っていいと思います。

──どういう作品に打ち込む傾向があるのかなとおっしゃっていましたが、あれはどういうことですか?

中村:例えば社員に小松さんっているじゃないですか、ミリタリー好きの。あの人の作品は軍事関係のがすっごい載ってて(笑)ああこの人こういうのが好きなんだとか。

──なるほど、作品からもその方の好みや雰囲気などを感じられるのですね。

中村:あとは作品の最後の詰めのところを頑張る人だなとか、自分の世界観を持った人だなとか。

──提出作品についてはこちら側から指定していないので、皆さん本当に自由に作ってきてくださいますよね。フォーマットも決まっていないじゃないですか。だからその方の世界観が丸分かりというか……むしろそれで伝えてほしい、アピールしてほしいってことですね。

エフェクトを調味料に例えると、カレーやシチュー?!

──学校でエフェクトの課題がないので「エフェクトの勉強の仕方がわからない」という学生さんの声を聞きました。エフェクト制作に向けてどのようなツールを勉強したらいいでしょうか?先ほどのお話だと、青柳さんも津金さんも授業が無かったのですね?!

青柳:無かったですし、作ったこともなかったです。

中村:ちなみになんですけど、学生の方でエフェクトを希望するなんて方は居たりしました?学校に。

青柳:うちの学校は居なかったですね。エフェクトという選択肢が無かったまず。ぱっと出てこないという環境だったので……もし他のクラスだったりしたら、例えば映像とかコンポジット系のクラスもありましたので、そっちではもしかしたらあるかもしれないですけど……私のクラスでは無かったです。

津金:CG・映像科っていう全部まとめての学科だったので、授業ではモデラーかアニメーションみたいな感じで。一定数映像系を目指してる人でエフェクト志望が多かったんじゃないかなと思います。

中村:エフェクトに限って映像といえば、撮って、でき上がってきたものに対して爆発を追加したりとか、炎を焚いたりとか、そっち系ですかね。

青柳:エフェクトって、爆発とか魔法陣のキラキラキラみたいなもののイメージが強いんですけど、ここに入るきっかけとなった会社説明会の時に、「背景の霧とか、雰囲気作り、ライティングとかそういうのも全部エフェクトなんだよ」って話を聞いて、ちょっと衝撃を受けたことがあって。エフェクトって、本当に最後のキラキラじゃないですけど、やってる事が少ないようなイメージが強いですが、実際はかなり多いというか最後の決め手づくりなんだと。

──調味料でいうと?

青柳:調味料でいうと(笑)なんでしょうね?カレーにするかシチューにするかみたいな。

──だいぶ違いますね(笑)

中村:方向性を決定づけるくらいの感じでは。

青柳:材料は一緒だけど、最後に入れるルーを変えたらシチューになりカレーになり……っていう感じですかね、イメージは。

──それくらいエフェクトで変えられるし、変わるってことなんですね。えー、すごいですね。

青柳:変わるんだよなっていうのを学生の頃はあんまり分かんないので……だからそういうのがわかると面白そうって思うかなと。

中村:そこは説明していかなきゃですね。

──そうですね。私も分からなかったから……私、七味にするかコショウにするか的な感じかなと思ったんですけど、まさか味が変わるくらいなものとは思わず。

中村:その通りだと思います。可能であれば見てほしいんですけど、エフェクトが乗る前の状態の映像と、エフェクトがある状態の映像を比べてみればすごくわかりやすいとは思います。ゲーム開発においてのエフェクトはもう最後の頼みというか、かっこよくするための何でも屋みたいなところが若干あります。

──映像がかっこよくなっているのはエフェクトのおかげだよ!ということですね。エフェクトの需要はYouTubeとかでも増えてきているし、エフェクトというものの真実をもっと知ってもらうことがやはり必要ですね。

青柳:イメージが変わると「面白そう」って思うんですけどね。私は説明会でイメージが変わったので。本当に偶然で最初は全然出席する気も全くなくて、仲のいいスタッフさんがふらふらしてて。もともとその方が3Dを作ってたのは知っていて、「ちょっと行ってごらん」みたいな。それがきっかけです。

──わお。そうなんですね。本当に知ってもらうところから入る必要がありますね!だって青柳さん、「行ってごらん」って言われなかったら説明会に行っていなかった。そうしたらエフェクトの面白さを知らず、今ここに居なかったかもしれないじゃない?

青柳:その方が背中を押してくれていなければ、ここに居なかったかもしれないです。

──仕事・業務をしていく中で、引き出しの多さや資料などはどのように増やしたらいいと思いますか?

中村:学生の頃ってエフェクトの作り方とか全然わからないので、手持ちの資料とか知識とかがゼロの状態だったと思うんですけど、今はある程度いろんなものを経て作り方をイメージできますよね?その状態に至るために使ったモノ、動画なりとか何かあれば。何を見て勉強しましたか?だとどうかな。

イマドキ!!さすがYouTube!!

津金:今でもYouTubeとかの作り方動画を参考にしたり、ゲームの技などを調べて動画を見て、こういう技の時はこういうエフェクトが出てる……とかそういうのを参考にしたりはしてます。

──YouTubeでゲームの動画を観るのですか?

津金:そうですね。あんまりアクション系はやってこなかったので、YouTubeとかで調べて出てきたやつを見たりしてます。

青柳:私も同じで、例えば剣斬撃を作りたいとなったとき、どうやって作ればいいんだろう?みたいな、そういう最初の段階のときは、YouTubeにハウツーみたいなのが載ってたりするので参考にしています。

──YouTubeに作り方が出ているということですか?

青柳:作り方の動画が、まあ同じツールではなかったりするんですけど、考え方のところは同じだったりするので参考になりますよ。英語だったりするのでそこはちょっとあれなんですけど、そういうのを見たりとかしてます。あとは自分の引き出しを増やす的な意味でもゲームをするのが大事、みたいな(笑)自分が今作りたいテイストに近いゲームを探し出してやるとか、動画を見るとか。実際にプレイしてイメージができていると、また作りやすさが違うというのもあるんで。アウトプットするからにはインプットしないとっていうのは思います。

──実際にゲームをプレイして、イメージのストックを増やす……インプットが大事!ということですね。

知りたいことはチャットですぐに訊けて快適!出遅れた感ゼロ。

──今回、会社としても新人研修をテレワークで行うのは初めてでしたが、テレワークでの新人研修はどのようなことをしましたか?また、実際にオフィスに来てみて感じた違いなどがあれば教えてください。

津金:結構早いうちからリモートの準備をしていただいて、ツールも使いやすいものを選んでいただいて、それを使って。体制がすぐ整っていたので、そういうところは普通に研修ができてよかったなと。

──2回ぐらいオフィスには来ていただいて、先輩と何度かは会っていたと思うのですが、画面上で質問をするのは不安ではなかったですか?どうでしたか?

津金:ちゃんと時間を取ってくれるので色々訊きやすいと思いました。質問とかがあったらあらかじめ用意してくれているチャットですぐ訊けて、通話でも直接教えてくれて。画面共有もできたので、そういうのでデータも直接作ったやつも見ながら調整もしてくれたので、すごくわかりやすかったですね。

──制作のスケジュール感には無理はなかったですか?

青柳:最初にざっくり「こんな感じのスケジュールはイメージしてますよ」というものはあるんですけど、その都度それぞれのスピードに合わせて再度調整してくださるので、あまり時間に追われてるっていうのはないですね。

中村:最初っからいきなり追われてたらきついですもんね(笑)

──多少は不安はありましたか?リモートで研修ってどうなるんだろう?みたいな。

青柳:そうですね。最初どのくらいでスタートするのかなとか、どうするのかなみたいなのは思ってたんですけど、その辺は動きがとても速かったので大丈夫でした。なので、それによって「遅れた」みたいな感覚は全然ないです。リモートでもレスポンスが速く、その都度わからないことを質問するとすぐ返ってくるので。必要なら画面共有してみたいな感じで。リモートだとすぐ近くで訊けないっていうイメージがあると思うんですけど、そういう感覚もなかったので、何か支障がっていうことはなかったですね。

──研修ではいくつぐらい作品を作ったんですか?

中村:15個ぐらいかな?ありますかね、15くらい。

青柳:研修で最初に炎からスタートしたんですけど、最初にやるならやっぱりそこからスタートするのがあたりかなと思います、今思うと。他の属性とか作ってると、あ、こっちのほうが難しい、すごい複雑、みたいな。ツールに慣れていかないとなかなかうまく表現できないことも多いので、最初の入りで炎からスタートするっていうのは勉強にはなるし。最初はただ作ってみたい、興味関心でこの属性を作る!とか選んでたんですけど、「それすごく難しいよ」「難しいの選んだね」とか言われて……最初は何が難しいのかよくわかんないんですけど、やってみると「あ、なるほど!」みたいな。 今思うと、半分ぐらいは先輩のお力をいただいてたっていうのはありました(笑)

さて、前編はここまでです。先輩社員やYouTube(!)に手を引いてもらいながら、二人とも熱心に勉強している姿が印象的でした。後編もお楽しみに♪